
はじめに:使いやすいサイトの本質とは
「使いやすいサイトって何ですか?」
これは、Web制作の現場で私がクライアントから何度も受けてきた質問です。
多くの方は「デザインが整っていること」「スマホで見やすいこと」「自分で更新できること」などを挙げます。どれも正解ですが、私が考える本質はシンプルです。
“伝わる”ことと”使いやすい”ことが両立している状態。
5年間のWeb制作経験から導き出したこの考えのもと、私はWordPressテンプレートを設計・開発しています。今回は、実際のテンプレートづくりで意識している3つのポイントをご紹介します。
1. ユーザーが迷わない情報設計とUI構造
テンプレート設計で最も大切なのは「見やすく、伝わりやすい構造」です。ユーザーの視線の流れと行動パターンを考慮した設計が不可欠です。
トップページに必要な3つの要素
- ファーストビューで「何のサイトか」が瞬時に伝わるヒーローセクション
来訪者に5秒以内で価値提案できるよう、明確なメッセージとビジュアルを配置します。 - ユーザーの視線を導く、見出しと段落構成による情報整理
F字型やZ字型の視線誘導パターンに沿って、重要情報を適切に配置します。 - 明確な行動を促すCTA(Call To Action)の戦略的配置
「問い合わせる」「資料をダウンロード」など、具体的なアクションボタンを最適な位置に設置します。
また、迷わないナビゲーションやカテゴリー分けの一貫性も重要です。どんなに美しいデザインでも、「どこに何があるか分からない」サイトでは、ユーザーは離脱してしまいます。
当社のテンプレートでは、ユーザビリティテストを重ね、直感的に操作できる設計を追求しています。
2. 運用しやすい管理画面設計(クライアントの負担軽減)
納品後に「更新が大変で放置されてしまうサイト」にならないよう、WordPress管理画面の使いやすさにもこだわっています。
クライアントに喜ばれる管理画面カスタマイズ例
- 必要な項目だけを表示するダッシュボードのパーソナライズ
よく使う機能に絞り込み、操作の複雑さを解消します。 - Advanced Custom Fields (ACF)を活用した直感的な編集環境
テキストや画像の差し替えだけで完結できる、視覚的な入力フォームを提供します。 - Gutenbergブロックエディタへの最適対応
業種別の専用ブロックやテンプレートパターンを開発し、ドラッグ&ドロップで簡単に更新できる環境を整えます。
こうした工夫によって、「Web制作の知識がなくても自信を持って更新できる」状態を目指しています。
実際、多くのクライアントから「自分で触れるから相談しやすい」と好評をいただき、長期的な信頼関係の構築にもつながっています。
3. 表現力とパフォーマンスのベストバランス
魅力的な表現を重視しつつも、読み込み速度や軽さとのバランスをとることは現代のWeb制作では欠かせません。Googleの検索アルゴリズムでもページ速度は重要な評価要素となっています。
パフォーマンス最適化のための具体的施策
- 目的に沿ったアニメーション設計
「見せるため」だけでなく、ユーザーの注意を適切に誘導するアニメーションに絞り込みます。 - プラグイン・スクリプトの厳選
不要なプラグインや重いスクリプトを排除し、コアとなる機能に集中します。 - 画像・CSS・JavaScriptの最適化
WebPフォーマットの採用、CSSの軽量化、遅延読み込みなどを実装し、PageSpeed Insightsでのスコア向上を実現します。
華やかすぎて読み込みが遅いサイトより、情報が速く正確に届き、操作がスムーズで、更新も容易なテンプレートこそ、ビジネス成果に直結します。
まとめ:テンプレートは戦略的ツール
テンプレートは単なる「見た目を整えるもの」ではありません。その事業の”伝え方”や”届け方”を考え抜いた、戦略的なコミュニケーション設計です。
私たちのWordPressテンプレート開発では、常に以下の3点を大切にしています:
- ユーザーが迷わない情報設計とUI構造
- 運用しやすい管理画面設計
- 表現力とパフォーマンスのベストバランス
これらを高次元で両立させることで、見る人にも使う人にも優しいWebサイトが実現します。
さいごに
当社ではWordPressテンプレート開発の他、既存サイトの改善コンサルティングも承っております。「更新が大変」「見た目は良いけど成果に結びつかない」といったお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
WordPressサイトの見直しで、情報発信力と業務効率を大幅に向上させるお手伝いをいたします。